1926

預かりして2年

何をやってもエンジンが掛からなかった当時の世界最速の車 STUTZ


部品は何も出ません

アフターマーケットのとりあえず部品は取り付けるのを許してもらえません

全ての80年以上前の部品を修理するのです

1920年代にしてツインプラグ直列8気筒 OHC

クランクメインベアリングは9個もあります

プラグコード16本 ツインコイル

当時の価格 1億円~2億円(フルオーダー生産)


約束していた納期も迫り、もう諦めて車両をお返ししようか考えていたのです

日本のレストア屋さんをたらい回しされ、大手企業傘下のレストア工場にも

『無理だ』と言われた 車両。

不動で輸入されて その前はミュージアム展示で

最後にエンジンが掛かっていたのは戦前。


オーナー様が来られて『もしよろしければこのままお返しを・・』

と先日言い掛けましたが

『5メートルだけでも走りたい』と仰られて、くちびるを噛み締めました


ガスケット、配線、レジスター、リンケージetc...

全て手づくりしました

点火系の作動電圧は4.5V 6Vではないのです。

6Vでクランキングするとコットンプラグコードからブロックへ漏電していました。

オリジナルのプラグコードはワニスを炊いて塗りたくりました

交換など致しません。 もうレプリカは見た目に違いますから、、




質問を繰り返していたアメリカのオーナーズクラブの方が 好意でマニュアルのコピーを送って下さいました

それを確認しながら もう一度アジャスト

16本プラグコードのあるデスビを分解。。。。

バルブタイミングの再確認、、

バケツほどあるフューエルレギュレーターのアジャスト(20年代で電磁ポンプです)

飛行機用キャブレターのアジャスト・・・


もう2年間、何度もしたので

なかば諦めながらスターターを回したら

ドカーン と火柱上げてエンジンが立ち上がりました



夢かな? なかば放心状態の僕

なんとキャブレターから火を吹きながらアイドリングしてるんです


ブオーンと吹かしたら 火はキャブレターに吸い込まれて消えました

まるで飛行機です


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いろんなエンジンを組んできて

激しいHop-Upもしましたが こんなエンジンは初めてです

ドロン ドロン とアイドル状態から一気に吹け上がるエンジンは

50年代のOHV直6.8より吹け上がりが早い

さすがエアクラフトエンジンです

オーナーズクラブによればこの1926のEightは世界で実働が数台しか無いとの事。

ホイールは木です 最高速160キロ 1926年ボンネビルチャンプ


この20世紀の化け物はOn The Roadまであと少しとなりました。

日本の大手も諦めたこの車両

町工場でやり遂げたいと思います。
by whosaidcant | 2013-05-06 02:48
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